この数十年、この件について相当なゴルファーのお問い合わせがあります。
ポイントは、
ゴルフクラブの製造で、安定した品質をコントロールする為に使うようになったのです。
ゴルファーが、クラブを選ぶためではありません。
メーカーA社とB社と、スイングウエイトが同じであったとしても、クラブの長さと、全重量、グリップの重さ、シャフトの重さ、ヘッド重量が異なれば全く違う感覚があり プレーヤーの感覚には、意味を成しません。
技術者として40年もゴルフクラブに携わってきてゴルフ業界での基準として説明が無いのは不思議な気がします。
そもそも、Swing Weight(SW)と言う発想は何時ごろから始まり、その背景に何があったのかを知りたいですよね。。
1900年の初期のゴルフ用品は試行錯誤で、プロの意見を聞きながら、重さも形も素材も様々でした・(今日はクラブのSWについてだけにしておきます。)
下は当時のゴルフクラブです。(後日紹介します)
初期のゴルフクラブは、Hillerich&Bradsby Power Built、Wilson、Macgreagorの会社が作り始めた頃は、全て手作りでヘッドは木(パーシモン)シャフトにはヒッコリーシャフト、グリップは皮まき、などが使われていました。。特にこの時代、ヒッコリーシャフトでは、シャフトの硬さの品質管理が十分でない時代です。
クラブメーカーは、クラブ製作において経験が無い為に、プロゴルファーと相談をしながら、道具の品質管理上の再生方法を考えながら、数学的、材料力学な発想で安定したゴルフクラブデザインと開発を始めたのです。特にこの頃はアメリカンプロ野球のバットを作っていた会社が先陣を切っています。(Hillerich&Bradsby Power Built、Wilson、Macgreagor)
安定した製品の供給と品質を安定させるために要求されたSwing Weightは
1.スイングした時の重い軽いの感覚を表現する事を目的。(グラムCM、オンスInch)
2.クラブの質量の配置がスイング中でのどのタイミングでクラブリリースに影響するのかを表現したい。
この2点をプロから要求されてきて、Robert Adamsが開発したのがSwing Weight Scaleです。
私が37年前にアメリカに来た頃は、Kenneth Smith社のスイングウエイト計量器が一般的でした。第2次世界大戦収束時の1945年に、Kennth SmithがRobert Adamsから特許を譲って貰ったとの事です。Kennth Smithとは1970年代から数年私もPGAショーで面談したことがあります。本当に身近な話なのですよ。。(ついでにですがこの頃には既に、デジタル式のクラブヘッドスピード計測器を私たちは使ってフィッティングをしていました。)
今は、2006年あたりからGolf SmithやGolf worksもSW計測器を作っていますが、アメリカでは自分のガレージで自分の考える独自の計測器を作ってクラブ製造をする業者もいます。ISOやJIS規格等の工業規格や、MIL Specでもにもない何が本当に良いのか解らない時代でしたので。。
何が一番良い方法なのか解らない為、基準を決めることができませんでしたので、自分の理論を信じて製品供給を続けているわけです。
この当たりがあいまいで、Kenneth Smith社D0と、その後のGolfSmith社、その他のD0のスイングウエイトの間では同じ数字でも重さは大きく異なります。時代と共に、もうそろそろ、軽量規格の宣言をしてもいいかもしれませんね。
上は、ゴルフクラブのSW規格表ですが、
1980年にテーラーメードがメタルヘッドを紹介し、1990年頃ににチタンヘッドが出てくるまでは、ドライバーは43Inchが標準でした。
その時の、スイングウエイトの規格の関係が表現されています。
続く